昨日は5月とは思えない暑さでしたね。
皆さん、暑さばてしなかったでしょうか。
令和初の水曜会の報告をします。

第166回 水曜会の報告です。

参加人数 9名

午前、 まず、藤本先生の第1巻 弁脉法
今回は30条、31条を読みました。

30条は
誤治によって亡血となった時のことについて書かれています。
夏と冬の陰と陽の変化、胃の中の変化について書かれています。

麻杏甘石湯、人参湯についてP125~126に非常に興味深く書かれています。
とくに人参湯の症例は大変面白いです。

インドに出張に行ったあとにシベリアに出張に行った人の胃の薬としてどちらにも人参湯を使った理由がとても明確に書かれていてさすがだなと思いました。

シベリアに行った時に胃を温めるために人参湯を使っていますが、ここは呉茱萸湯ではいけないのか?という疑問がでました。胃を温める力は呉茱萸湯のほうが確かに強そうに感じます。しかし、先生は人参湯を使ってらっしゃいます。ちょっとみんなで考えたのですが、人参湯には甘草乾姜が入っているから寒いシベリアでは肺も温めていいのではないかという意見が出ました。納得、納得。やはりここが先生のすごいところですかね。
皆さんもP126を読んでみてください。
今回、午後に偶然にも陽明病をやってますのでちょうどよい勉強になりました。

31条は
脈が浮大だけど遅の場合の注意事項が書かれています。
浮大はいろいろな場合が考えられます。原因によって発汗したり下したりすると思いますが、浮大で熱があっても「」であったら決して発汗させてはいけないと書かれています。これは臨床上で注意するポイントの人るですね。

午後は陽明病15、16、17を読みました。

15条
面白いくらい分からない条文でした。(笑)
ですので、陽明病を最初から読んでみました。

15条 陽明病,初欲食,小便反不利,大便自調,其人骨節疼,翕翕如有熱状,奄然発狂,濈然汗出而解者,此水不勝穀気,与汗共并,脈緊則愈。

どうでもいいのかわかりませんが、他の本には最初の部分が「陽明病,初欲食」と「」の字が入ってます。

で、この条は前の13条からの続きですね。13条で定義された陽明中風の病状とそれが治る過程と理由が書かれています。

・小便反不利
なので陽明中風は通常であれば小便は問題なくでるのでしょう。

今、陽明に邪が入ってきました。食欲はあるので寒ではなく熱でしょう。小便不利なのでやや膀胱にかかっているが、大便は普通なので腑までは入っていない。小便不利なので水が停滞していて皮下や関節などにあぶれている。それに熱が加わって太陽病上13条の桂枝湯のごとく翕翕如有熱状となり、その状態が頂点に達すると発狂する程となり、すぐに汗が噴き出して治るそうです。

陽明病が治る時の特徴が、濈然汗出です。なんと7回も記載されています。(各々探してみてください)
陽明病は汗が噴き出て治るのですね。

・此水不勝穀気
が分かりにくいですね。結局、穀気が水に勝ったってことですね。穀気(正しい気)

が水のだぶつきを追い払ったってとこですかね。

・与汗共并,脈緊則愈
結論として、脈緊(戦えて)で汗が出たら治るってことが書かれているのではないでしょうか。

16条
とくに問題なく
ちなみに、太陽病は巳の刻より未(午前9時から午後3時まで)、少陽病は寅の刻より辰の刻(午前3時から9時まで)の間に治ります。

17条は
不能食なので陽明中寒ですね。この場合は下してはいけないと書かれています。

以上です。

陽明病は結構臨床でもよくある症状かなと思います。症状を細かく見ていくと適切な処方へとたどり着くのだと思います。まだまだ処方は出てきませんが陽明病の病態をしっかり把握しておきたいですね。

次回は実習の予定です。
今のところ、麻子仁丸、桂枝茯苓丸、乾姜人参半夏丸を予定しています。

今日まで暑いようですので体調管理には気をつけましょう。

つちこ